岸部四郎の〝手形コピー〟が妙な所に出回っている『FRIDAY』

いま一部の金融ブローカーの間で、奇妙な約束手形のコピーが出回っている。額面1000万円、振出人は岸部四郎氏(45)。しかも、ご丁寧に岸部氏本人の免許証のコピーまで添えられているのだ。ある銀行幹部はこういう。

「有名企業の手形のコピーが出回ることはよくありますが、ほとんどが偽造。こうしたコピーは、手形詐欺やM資金などの架空融資に悪用されるケースが多いので非常に危険なんです。しかしこの岸部さんのケースは、免許証のコピーが一緒ですから本人も関与しているのは確実。事業家失格ですよ」

岸部氏といえば、『ルックルックこんにちは』(日本テレビ系)の司会者として12年、〝朝の顔〟でお馴染みだ。芸能活動のかたわら、ヘリコプター会社や海外の有名ディスコチェーン、外車販売、ハイテクお見合いなどの事業に参画したり、プロ級の骨董品コレクターという一面も持つ御仁である。この「芸能界一の蓄財家」に何が起こったのか。ある金融ブローカーは、

「この手形のコピーには振出先が記入していない。プロの詐欺師がその気になって、振出先に自分の会社名を書いて信用があるように装えば、街金融から『手付金』名目でカネを騙しとることは簡単ですよ」

という。岸部氏は、犯罪に利用される危険性を知った上でコピーをとらせたのだろうか。しかも本誌が入手した情報では、手形のコピーは「暴力団関係者」の手元にも渡っているともいわれているのである。岸部氏は再三の取材申込みに対して、ようやく電話で口を開いた。

「手形のコピーは、知人から紹介された人物が借金をする時に保証として渡したもんです。その際、ボクから出たことを証明するために免許証のコピーもとらせた。ところが、その人に『ウラの方』とつながりがあったっちゅうわけです。今年になって、覚醒剤で逮捕された右翼団体のMという男が所持品の中に僕の手形のコピーを持っとったとかで、警察から連絡がありました。そんな人間、見たことも聞いたこともありませんがな。けど、手形のコピーを渡すぐらい常識ですよ。むしろ慎重を期するために現物じゃなくてコピーにしたんやから。こんな取材受けて、ボクが被害者やがな」

借金の保証に手形のコピーを渡すことが〝事業家〟の行為とはとても思えないが、直接会って詳しく取材をしたいと申し出ると、

「笑い話的に、ボクが読者に『こういうこともあるから気を付けろ』と教えるような記事なら応じます」

と言ったきり一向に連絡がとれない。仕方なく出勤前に直撃したが、「ん?ああ」とつぶやいただけで走り去ってしまった。

東京のど真ん中、日本一高い家賃で話題になった紀尾井町の高層ビルに住み、新車価格1250万円のベンツを駆って、8時半開始の番組のために8時に家を出る“重役出勤”の岸部氏。このワイドショー司会者にとっては、「裏社会」と関係がある人物に、無責任に1000万円の手形と免許証のコピーを渡すことも「常識」なのだろうか。


初出:岸部四郎の〝手形コピー〟が妙な所に出回っている『FRIDAY』1997年4月18日号