新生銀行で進む外国人切りと経営統合計画 『週刊朝日』 Part1

東京・内幸町の新生銀行本店の一室で2月13日、ちょっとした「誕生パーティ」が催されていた。翌14日に80歳の誕生日を迎える八城政基社長の〝傘寿〟を祝うものだった。

「副社長の富井(順三)の音頭とりで、『80年もののワインをプレゼントする』と言って行内でカンパを集めたり、ハシャいでました。富井は曲りなりにも有力な〝次期社長候補〟のプロパーですよ。ポルテが消えた途端、日本人幹部が八城社長に媚を売り始めた姿は、見ていられませんよ」(米系投資銀行出身の新生銀行幹部)

昨年11月、新生銀行は、業績低迷から社長のティエリー・ポルテ(51)が引責辞任し、八城が非常勤会長から社長に返り咲く異例の人事を断行した。今年なってから、行内からこんな声があがっている。

「外資系の投資銀行や投資ファンドから転職してきた『外人部隊』が、切り捨てられようとしてる。陣頭指揮を執っているのは、八城社長本人だ・・・」(新生銀行幹部)

旧日本長期信用銀行が国有化され、JCフラワーズとリップルウッドを中心とした米系投資ファンドの傘下で再建を果たした新生銀行で、世界的な金融危機が襲い掛かる中、『何か』が起ころうとしている。

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1月下旬、新生銀行の部長職以上の部門長に一通のリストが配布された。そこには、行内の「高額給与所得者」上位から100人の名前が並んでいた。

「単に『金がかかってる行員』を上から順番にリストアップしたのです。八城社長から、『この中から30%の人間をリストラする』という命令が出て、部門長に『要らない人間』の人選をやらせたのです」(新生銀行幹部)

新生は、今年3月期の業績見通しが480億円の赤字となっている。リストラを余儀なくされるのは当然だが、この「100人リスト」に色めき立ったのは、かつて新生の屋台骨を支えた〝外人部隊〟だった。

「新生が再上場を果たせたのは、不動産の証券化や他行の不良債権の処理など、インベストメントバンク部門が稼いだからです。八城社長が打ち出した『ATM手数料無料』などのリテールは、率直にいって〝表向きの顔〟です。プライベートバンク(富裕層向けの資産運用)も、まったく収益に貢献していない。我々を切り捨てて、どうやっていこうというのか」(前出・米系投資銀行出身の新生銀行幹部)

実は「100人リスト」には〝カラクリ〟がある。単なる基本給やボーナスだけでなく、「フリンジ・ベネフィット」(福利厚生費)も加算した、総支払額でリストアップされたのだ。

「住宅手当てはもちろん、子供がアメリカンスクールに通う費用などを含めると、上位100人のほとんどが外国人や転職組のバンカーです。すでに人選が済んだようですが、意図的に外人部隊や外資からの転職者を狙い撃ちしたとしか思えません」(同)


初出:『新生銀行で進む外国人切り』週刊朝日 2009年3月20日号

新生銀行で進む外国人切りと経営統合計画 『週刊朝日』 Part2