金融恐慌下で荒稼ぎするモラルなき金融マンの手口と実名『週刊朝日』Part2

「ある会社の上場審査の際、アーバンとの取引が問題になって、東証の担当者から『アーバンとの取引をゼロにしろ』と言われた。アーバンは東証一部に上場しているのに・・」(大手証券会社の幹部)

さらに銀行は、アーバンの息の根を止めにかかる。

「4月以降は、我々が保有物件を売ろうとすると、相手先企業への融資も出なくなったのです。邦銀は全て拒否なので、外資に頼らざるを得なくなった。ゴールドマン・サックス(GS)、モルガン・スタンレーは門前払いでしたが、メリルリンチは物件を簿価の4分の1程度で買ってくれた」(前出・アーバン関係者)

こうして、日本の金融界から締め出されてボロボロになったアーバンに食いついたのが、フランスの大手金融機関のBNPパリバの川端だった。

BNPが手掛けた新株予約権付転換社債の割当の中には、株価が下がるほど割当側が儲かる「MSCB」と酷似したスキームも含まれる。リーマン・ブラザーズをへて、06年にBNPに転じた川端は、顧客にこんなことを吹聴していたという。

「日本にMSCBを根付かせたのは私です。リーマン時代には、ライブドアのニッポン放送買収時のMSCBも担当した」

金融恐慌下で荒稼ぎするモラルなき金融マンの手口と実名 『週刊朝日』Part1











「エリックが姿を消した・・・」

米系投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破綻した後、外資系投資銀行のバンカーたちの間で、一人の男の行方が、密かに話題にのぼっていた。

川端エリック憲司--。

この70年代の外人タレントのような名前の男の肩書きは、フランスの大手金融機関・BNPパリバ証券の「東京支店 資本市場ソリューション統括本部長 副支店長」である。外資には珍しい縦書きの名刺が、昨年夏以降、資金繰りが悪化した不動産会社の財務担当者と間で頻繁に交換されていた。

「身長は170センチに満たない小柄な体格で、色白で女性のように肌がプヨプヨしていた。インベストメントバンカーにしては、ガツガツしたところはなかった。日系アメリカ人なので、日本語は頭の中で翻訳してから話すようだった」(都内の不動産会社の財務担当者)

フジの看板・福井謙二アナと佐藤里佳アナが「商工ローン」でアルバイト『FRIDAY』








「本日の司会進行を務めさせていただきます、私、フジテレビの福井謙ニと」
「同じく、佐藤里佳でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます」

98年9月12日、新高輪プリンスホテルの大会場「飛天の間」。荘厳なファンファーレとブルーのスポットライトが交錯するなか、壇上からフジテレビの看板アナウサーが挨拶する。 二人が並んで立つ前には、「株式会社商工ファンド」の社名・・・。

写真左は、『プロ野球ニュース』『料理の鉄人』で名を馳せた福井謙二アナ(46)と、フェエリス女学院卒の〝元祖お嬢様アナ〟佐藤里佳アナ(32)が、商工ローン大手『商工ファンド』(本社・東京都中央区、大島健伸社長)の「ファンドマン表彰式」で、揃って司会のアルバイトをした際に撮られたビデオの一場面である。

かんぽの宿のオリックス一括売却は「問題」か?

日本郵政が保有する「かんぽの宿」70施設のオリックス不動産への一括売却が白紙に戻されることになりそうだ。この件については、日本郵政やアドバイザーとなったメリルリンチの判断は正しく、鳩山邦夫総務相と多くのマスメディアの主張が間違っている。どこのメディアも書かせてくれないので、ここに記しておく。

「かんぽの宿」は、旧郵政の簡易保険加入者の福利厚生施設である。しかし、その大部分が赤字経営であるばかりか、旧郵政官僚の天下り先となっていた。こうした無駄を見直すため、郵政民営化関連法に2012年9月末までの売却が明文化されていた。この法律が策定された2005年当時は、都市部を中心に不動産のミニバブルが発生しており、政府は高額での売却を見込んだと思われる。しかし、2007年からの不動産市況の悪化とリーマン・ブラザーズ破綻後の金融機関の融資締め付けによって、世界中のマーケットから投資マネーが逃げ出してしまう。結果として日本郵政は、〝最悪の時期〟に不採算事業の売却を余儀なくされたことになる。売却のタイムリミットは3年足らずである。このままかんぽの宿を保有し続け、市況が好転することを神に祈りながら、年間4~50億円の赤字を垂れ流し続けるか、それとも一気に売却してしまうか。難しい経営判断だが、法律によって売却期限が定められている以上、今より経済環境が悪化する可能性も高いので、速やかに手放すのも一つの決断である。少なくとも日本郵政には、かんぽの宿の経営を立て直す能力はない。

巨艦みずほ失敗の本質『文藝春秋』Part4

そしてみずほが抱える問題は「人材」に止まらず、「不良債権処理」も禍根となっている。

みずほは、にわかに「事業戦略の変革」と題して、「シンジケーションビジネス」「ソリューションビジネス」などといった文言を並べている。しかし、いずれもネットバブル当時に、ベンチャー企業が掲げていたスローガンに似て、具体的にどんな事業で黒字化するのか、どのように金儲けをして「動脈」を支えていくのか「ビジョン」が見えない。

九月中間期のメガバンク四行の実質業務純益を見ると、前年同期比でプラスとなったのは東京三菱だけ。みずほは三千八百七十八億円で、前年同期比でマイナス二八・七パーセントとメガバンク中で最低の水準だ。合併で経費が嵩んだとはいえ、現時点で合併効果は見えてこない。リスクアセットを半期で十三兆円も圧縮したが、早急に利鞘稼ぎに代わる収益の柱を確立しない限り、何度リストラを繰り返しても、不良債権処理コストが利益を食い潰す悪循環を断ち切ることは不可能だろう。

こうした認識は、経営トップだけではなく、四十代以上の幹部行員も同様だ。BKの支店幹部が現場の惨状を語る。

巨艦みずほ失敗の本質『文藝春秋』Part3

統合直後、「みずほ証券」では、「副部長」という肩書きの社員が急に増えだしたという。これについて、みずほ証券のOBが解説する。

「証券は、一年早く合併したんですが、各行は統合でポストからあぶれた幹部クラスを送り込んできたんです。証券分野では、旧興銀証券が引き受け部門で一時トップに出るなど、人数も経験も富士、一勧より勝っていた。それで、富士、一勧は『興銀に牛耳られる』という危機感があったんでしょう。合併直前に人員を増やしたため、ポストが無くなったんです。それで副部長がたくさんいた。その他にも『上席部長』『部付部長』というポストが新設されて、三行で席を分け合うこともありました。しかし、そもそも仕事が出来なくて証券に回された人たちですから、上司といっても役に立たない。それぞれの人に根回しをしなければならないので、下の人間にとってもやりにくいだけでした」

こうした「母行意識」に根ざすポスト争いは、統合発表後のみずほの各部署で当たり前のように見られた。BKの大阪営業部は一部、二部、三部に分かれ、それぞれの部長を旧行で分け合い、部下も母行の営業部隊が直接移行した。海外でも同様で、昨年九月のテロ事件で富士のNY支店が被害にあったため、ミッドタウンの興銀NY支店で業務を集約しようとすると、一勧が猛反発して勝手にニュージャージーに拠点を移すという騒動があったという。取引先のメーカーの財務担当者は、外から見ても内部抗争をしていることが手にとるように分かるという。

巨艦みずほ失敗の本質『文藝春秋』Part2

この前田社長のもとで、グループ全体で三万人にもなる従業員たちは、「カルチャー障害」に悩まされることになる。

「ろくに支店で営業もできない興銀出身者が、なぜか優遇されてる。差別的な措置が三行の融合を阻んでいる」

一勧、富士出身者に話を聞くと、決まってこうした意見が出る。彼らが指摘する「差別的な優遇措置」とは、旧興銀マンだけに支払われている「調整手当」制度のことだ。

四月一日の統合で、持ち株会社のHD傘下に、みずほコーポレート銀行(CB)、みずほ銀行(BK)、みずほ証券、みずほ信託銀行を収めるという作業(組織統合)は形の上では完了した。ところが、行員の基本給は同レベルに統一されたものの、興銀出身者だけは、給与を嵩上げしたのだ。旧富士の行員が言う。

「うちは、すでにボーナスを減額されてたし、四十代でも年収が一千万円に届かない行員もいる。完璧とは言えませんが『能力給』に移行していたのです。ところが、興銀だけは給料が高止まりしていた。五十歳以上で比べると、興銀と富士、一勧の間では数百万円の給与格差があったのです。合併した以上、給与体系も統一するのは当たり前でしょう。ところが、五年間の移行期間を作るという。人事担当者は、『興銀出身者の給料を減らすとマンションのローンが払えなくなる』などと言っていました。融資先にリストラをお願いする立場で、おまけに公的資金まで入ってる銀行の言い分として通りません。ローンが払えなければ引っ越せばいいのです」