ゴールドマン・サックス持田昌典社長の「一人勝ち」葉山御殿発見『週刊現代』


神奈川県三浦郡葉山町。天皇家の御用邸がある有数の保養地として知られる葉山の海岸沿いに、巨大な別荘が建てられようとしている。別荘の持ち主は、〝最強外資〟ゴールドマン・サックス(GS)の持田昌典社長(51歳)である。

持田社長は、旧第一勧銀の行員からGSに転職し、激しい出世争いを勝ち抜いて社長に就任した。最近では、ソフトバンクのボーダフォン買収、楽天のTBS経営統合、日本航空の巨額増資など、M&Aの影の仕掛け人として金融界に名前が知れ渡っている。持田社長は、銀座や六本木の高級クラブでの飲食接待や、軽井沢の別荘での一泊食事付きのゴルフ接待などの派手な営業でも有名だ。また、経営危機に陥った企業に無理な契約を強いることから、「外資の帝王」とも言われる。

葉山に建築中の別荘も、まさに「帝王の御殿」に相応しい規模だ。この土地は、もともとソニーの社員向けの保養施設だったが、昨年十一月、楽天のTBS買収騒動の真っ最中に、持田社長が即金で購入した。

「葉山の中でもとびきりの超一等地です。浜辺沿いなので、将来も海を遮る建物が建つことは無い。七月には、沖合いの一キロの名島で行われる花火大会が鑑賞できるし、富士山、江ノ島、海岸線へのサンセットも見られる。海岸に面する土地は、企業の保養施設やホテルばかりで、いくら金があっても個人では買えない。希少価値が高い物件で、坪二百万円は下らないでしょう」(地元の不動産業者)

海岸に面した約百二十坪(四百平米)の土地の上に建つのが、地上三階、地下一階、延べ床面積約二百坪の屋上テラス付の大御殿だ。設計は、六本木ヒルズを手掛けた入江三宅設計事務所である。

「土地だけで三億円以上、建築費や設計費込みで五億円の大豪邸です」(前出・不動産業者)

なんとも景気がいいが、持田社長が手掛けたM&Aのアドバイザーや、企業買収には暗礁に乗り上げているディールも少なくない。

「ソフトバンクのボーダフォン買収は一兆円も高かったと言われ、楽天のTBS買収は塩漬けになったまま一年が過ぎて、両社の株価は大幅に下落しています。GSが経営参加したフジタや三洋電機の業績は低迷したままだし、主幹事証券をつとめたアコーディアゴルフやあおぞら銀行の株価は公募価格割れを起こす始末です。マーケットでは〝GSの力は落ちた〟という声が出ている」(外資系証券幹部)

名ばかりの〝M&Aブーム〟で、合併対象の会社や株主が憂き目を見る一方、一部の投資銀行や投資ファンドだけが肥え太る。持田社長の葉山御殿は、日本の歪んだM&A市場を象徴するかのようだ・・・。


初出:ゴールドマン・サックス持田昌典社長の「一人勝ち」葉山御殿発見『週刊現代』2006年12月9日号