佐川と笹川を結ぶビデオ『週刊朝日』Part1


今から三年前、京都市左京区にある佐川清・佐川急便会長の豪邸を訪れたときのことだ。通された部屋に、日本船舶振興会の笹川良一会長と佐川清氏が並んだ写真が誇らしげに飾ってあった。佐川氏は、「笹川先生を尊敬している」と繰り返し語った。

ほどなく政治家や暴力団関係者への巨額のバラまきが明るみに出て、大型経済事件の主役となった「佐川急便」。そして、いま警視庁が大動員をかけて捜査している「日本船舶振興会」。一見、何の関わりもなさそうに見える両者には、どんな接点があるのか。そして、佐川清氏は、なぜ良一氏を「笹川先生」と呼んだのか。

「笹川疑惑を追求すれば、佐川急便事件に行き着くハズ。二つの事件の接点は、ズバリ『運輸省利権』だからな」

国会で「笹川問題」を追及している小森龍邦衆議院議員がこう言えば、船舶振興会内部からもこんな声が聞こえてくる。

「陽平さんは、記者会見で、佐川急便に関する質問があると思って、想定問答集を作成するぐらい神経質になってます」(船舶振興会関係者)

どうも笹川陽平氏も、佐川急便との関係に、動揺を隠せないでいるらしい。

「両者の間には、ある会社が重大な役割を演じているのです。陽平さんが気にしてるのは、佐川の政界・運輸省工作に、良一会長が一枚噛んでいたからです」(前出・振興会関係者)

その「謎を解く鍵」になるのは、『大いなる日日──笹川会長記録』というビデオテープだという。十数年にわたって作られ、計百数十巻。本誌ではこの数本を入手した。

(初出:『週刊朝日』1994年6月24日号)