国際協力銀行「天下り40社リスト」Part2 『週刊文春』


「ボンタン・エルエヌジー・トレイン・エイチ投資」「ボンタン・トレイン・ジー・プロジェクトファイナンス」「プロジェクト・ファイナンス・ビーエルアールイー」の三社は、いずれもインドネシアのカリマンタン島のボンタン地区にあるLNG(液化天然ガス)の開発に関わる事業へ投資している。

別会社にして、それぞれ一人ずつ天下りを受け入れるより、一社が集約してプロジェクトを管理するほうが、JBICからの公的資金の支出が抑えられるのではないか。

この三社は、よほど仲が良いらしく、JR恵比寿駅に隣接する巨大なオフィスビル「恵比寿ネオナート」に揃って入居している。さらに、小誌の「迂回融資ではないか」という質問に対して、まったく同じ文章で回答してきた。まさに表裏一体の「ボンタン三兄弟」である。

国際協力銀行「天下り40社リスト」Part1 『週刊文春』


ここに一通の内部文書がある。政府系金融機関としてODA(政府開発援助)や円借款、輸出入金融などを行う特殊法人「国際協力銀行」(以下、JBIC)の元職員が、現在、勤めている企業名と肩書きを記したものだ。

OBたちの勤務先は、大手商社や大学教員など様々だが、その中に明らかに異質な企業群がある。「○×投資」「△□ファイナンス」という聞きなれない投資会社の役員や監査役に、なぜか数十名のOBが再就任しているのだ。

この投資会社の正体について、JBICの関係者が解説する。

「セレブ妻」バラバラ殺人事件について

4月28日、東京地裁で、夫の殺害と死体損壊・遺棄罪で起訴された三橋歌織の判決が言い渡される。2007年1月に発覚した事件は、歌織が、モルガン・スタンレー・プロパティーズ・ジャパン社員の夫・祐輔を殺害し、死体を切断して捨てたというもの。裁判では歌織の責任能力の有無が争点になっているようだ。殺人事件そのものにはまったく興味がないが、この事件を巡る報道には、少々、疑問を抱いている。

実は、この事件の発覚当時、週刊誌やワイドショーの記者などが、私に取材にきていた。週刊誌でモルガン・スタンレーを記事にしていた人間がいなかったことと、モルスタの広報が何らの対応もしなかったためだ。問い合わせがあった記者には、次のように答えていた。

「モルガン・スタンレー・プロパティーズ(MSP)は投資銀行でもアセットマネジメント会社でもない。モルスタや傘下の不動産ファンド『MSREF(メズレフ)』が保有する不動産の管理・運営をしている会社である。取り扱い物件の数と規模、社員数などを考えれば、日本有数のプロパティマネジメント会社であり、能力・実績もトップクラスだ」

国際協力銀行は豪華施設で国費ムダづかい 『FRIDAY』


東京都新宿区市ヶ谷仲之町。陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地の近くで、車一台がようやくすれ違える狭い路地に「曙橋会館」という四階建てビルが建っている。付近を高級マンションなどに囲まれ、昼間はひっそりと静まっている。ところが、夕方七時を過ぎると、この会館は急に活気に満ちてくる。スーツ姿のビジネスマン風の男たちが連れだって会館に入り、時折、黒塗りのクラウンが門の中に消える。敷地内には数十台は駐車可能な広大な駐車場を備えている。

この「曙橋会館」の所有者は、特殊法人「国際協力銀行」(以下JBIC)である。JBICは、99年に特殊法人改革の一環として日本輸出入銀行と海外経済協力基金が合併して誕生した。この結果、JBICは、貿易会社やエネルギー開発を支える輸出入金融にくわえ、開発途上国への円借款や無償資金協力など約8000億円ものODAをも牛耳ることになり、貸出残高約20兆円という世界銀行に匹敵する巨大金融機関となった。そして、JBICが行う国際援助は、郵貯や簡保などの財政投融資と一般会計、つまり国民の税金が原資であることは言うまでもない。

金融庁のドン・五味廣文「異例の続投」の読み方 Part3 『Foresight』

ペイオフ解禁直後、竹中が金融庁に残した〝お目付け役〟の「金融問題タスクフォース」を解散させると、五味の〝暴走〟に歯止めをかけられる人間はいなくなった。昨年七月から今年六月にかけて発令した行政処分は、実に二百五十件。前年度の三倍近い数字に膨れ上がっている。

五味の戦略は巧妙だ。頻繁に長官室に新聞記者を招いて、日本酒を振舞って〝歓心〟を得る。そして、伊藤に変わって実力者の与謝野馨が金融相になると、「大臣への忠誠の儀式」が執り行われた。再び槍玉に挙げられたのは、日本郵政社長の西川である。

今年四月、金融庁は、融資先に「金利スワップ」という金融派生商品を販売したとして、三井住友に業務停止処分を下した。西川は国会で謝罪し、三井住友頭取時代の役員報酬の一部を返上させられた。三井住友の幹部が指摘する。

「なぜこのタイミングで、金利スワップ問題で業務停止命令なのか。この問題は、融資先から訴えられて、三年前から金融庁も知っていた。しかも、当時の金利スワップの責任者は、北山禎介頭取です。当時はお咎めなしで北山さんを頭取にしながら、今更、西川さんに謝罪させるのは、あまりにも意図的です」

金融庁のドン・五味廣文「異例の続投」の読み方 Part2 『Foresight』

五味が反転攻勢を仕掛けるのは、平成十四年に監督局長に就任してからだ。長官の最有力候補だった原口恒和総務企画局長が、柳沢金融相と対立して更迭。棚ボタ式に長官に就任した高木祥吉は、「事務処理能力は高いが単なるイエスマン」と言われ、五味は〝事実上の事務方ナンバーワン〟になる。

さらに小泉首相が柳沢を更迭し、竹中平蔵が金融相に就くと、金融庁は「銀行を検査で追い込む」という手法を駆使し始める。

手始めに、みずほフィナンシャルグループを二千百億円の黒字予想から二兆七千億円の赤字に転落させた。みずほは、一兆円の巨額増資を強いられた。さらに、UFJ銀行に対しては異例の八カ月間の長期検査で不良債権を炙り出す。検査の現場を仕切ったのは、目黒謙一統括検査官。目黒が、UFJに強制捜査並の検査が出来たのは、五味監督局長-佐藤検査局長のラインによる後ろ盾があったからである。

そして、平成十六年七月、五味は金融庁長官に就任し、名実ともに金融行政のトップに立つ。しかし、「国家権力」を背景に闇雲に権限を拡大するほど愚かではなかった。金監庁時代から政治に翻弄され続けた五味は、政治家を利用する手腕を身につけていた。

金融庁のドン・五味廣文「異例の続投」の読み方 Part1 『Foresight』



「市場を監督するためにやれることはやっている。分かってくれるのは家族だけだ」

今年一月、東京地検特捜部が証券取引法違反でライブドアを摘発すると、「法の抜け穴を把握せず監督責任を果たしていなかった」と、金融庁が批判の矢面に立たされた。この時、金融庁長官の五味廣文は、親しい記者との懇談(酒宴)の席で、いつものように日本酒を飲んで酔うと、冒頭のように呟き、溢れる涙をグッと手で拭い去ったという。

「UFJ銀行を葬った男」「行政処分を乱発する暴君」・・・。金融機関の幹部たちは「五味」の名前を口にする時、決まって仇敵を嫌悪するように表現する。その反面、五味を知る多くの新聞記者からは、「本音で話してくれる人間臭い官僚」と慕われている。