福井日銀総裁は何を恐れているのか Part2 『Foresight』


福井が公開した個人金融資産は、預貯金が一億八千六百万円、株式が三千四百万円、投資信託が三千五百万円、国債が一千万円というもの。妻と合わせて金融資産だけで三億五千万円になる。「庶民感覚」では桁外れの資産額だが、そもそも中央銀行の総裁は庶民ではないし、庶民感覚で金融政策にあたる必要も無い。年間三千六百万円の総裁としての報酬は、職責の重さを考えれば安すぎるぐらいだ。保有している有価証券は、商船三井、富士通、キッコーマン、新日鉄、三井不動産などの社外取締役や顧問を務めていた優良企業ばかり。

福井日銀総裁は何を恐れているのか Part1 『Foresight』



今から五年前、村上世彰が率いる「M&Aコンサルティング」は、六本木ヒルズではなく、南麻布の雑居ビルの七階にひっそりと居を構えていた。白金や麻布の高級住宅街に囲まれていると言えば聞こえがいいが、陸の孤島のような場所である。平成十三年八月、オークウッドのパネルで飾られたこの事務所で、一時間半にわたって村上から「投資哲学」を聞いたことがある。

「投資先の東京スタイルは、保有不動産や有価証券を遊ばせて適切な投資をしていない」「昨年の昭栄に対する敵対的TOB(株式の公開買い付け)の失敗は、日本の経営者や証券市場が遅れているからだ」「株主価値の向上こそが、不況脱出につながる」・・。